Advantech
お役立ちコラム
2012/2/1
 日本自動販売機工業会の公表データによると、2010年末の自動販売機普及台数は、3,951,850台(自動サービス機除く)となっています。

 飲料の自動販売機は65.5%、その中でも清涼飲料の自動販売機は259万台と自動販売機全体の55%以上を占めています。
自動販売機設置台数
 このように多くの自動販売機が私たちの生活の一つの風景として溶け込んでいますが、この自動販売機の中にもITを活用したアイディアが詰め込まれています。
 街中にあふれる自動販売機のビジネスモデルには、いくつかのパターンがありますが、清涼飲料水の自動販売機では管理会社が設置されている自動販売機の管理を一括して行うものがあります。このような管理会社では、出来るだけ多くの自動販売機を効率よく管理することで、収益を上げています。
売り切れのない自動販売機
 手軽に欲しいものをいつでもどこでも買うことが出来るのが、自動販売機のメリットですが、肝心の商品が品切れだったり、釣り銭が切れていたりすると折角の販売チャンスが失われてしまいます。
 このため管理会社のもっとも大切な業務は、販売チャンスを逃さないように、自動販売機の商品やお金の管理をすることにあります。
 従来の自動販売機は、季節に応じて適切な商品を、適切な温度で管理し、投入金種を識別し、必要に応じて釣り銭を間違いなく返却するための仕組みを実現するために、専用のコントローラを中心に、お金の選別を行うコインセレクターや庫内温度を調整するコンプレッサーなどのユニットにより構成されていました。

 この基本的な商品保管の冷蔵庫+お金の管理機能に加え、商品の販売状況を知り、適切なタイミングで商品の補充を行うために、自動販売機にアンテナを付け、キャリア回線で販売データをサービスセンターに飛ばす方法が開発されました。

 従来の巡回作業では、全ての自動販売機の状況をひとつづつ人が見て、少なくなったり、品切れになった商品の補充とコインの回収を行っていました。このためよく売れる販売機も、そうでない販売機にも同じように時間をかけて確認を行わなくてはならず、作業効率を上げることができませんでした。
 しかし販売量の遠隔での監視が可能になったことで、品切れや釣り銭切れによる販売チャンスの滅失を防止することができるばかりでなく、計画的に作業員が販売機を巡回することができるようになり、作業効率も向上していきました。

売れ筋を的確に把握する
 1台1台の販売状況が確認できるようになると、さらに大きな効果が管理会社には現れだしてきます。設置された場所の天気や気温のデータと組み合わせることで、どんなときにどんな商品が売れるのかがより正確に把握できるようになりました。つまり自動販売機のPOS(Point Of Sales)システムを構築することで、コンビニエンス・ストアではすでに実現されていた、陳列商品の最適化を自動販売機の世界に持ち込むことが出来るようになったのです。
 自動販売機という限られた商品陳列・保管スペースにその時々で最も売れる商品を並べることで、販売効率を最大限に上げることが可能になってきました。
新たなサービスを追加する
 キャリア回線を使用した通信が可能になったことで、自動販売機はネットワーククライアントとしての機能を持つことになりました。 そしてネットワークに接続されたことで、新たなサービスが可能になりました。

 そのひとつが、電子マネー対応です。Suica、Pasomoなどの交通系電子マネーや、ID、Edyなどの電子マネーを使うことで、小銭を持ち歩かなくても買い物が楽しめるサービスは、利用者にとって非常に便利なサービスです。そして飲料はまさに小額決済の代表的商品でもあります。電子マネーの認証をネットワーク経由でリアルタイムに行うことで、小銭がなくても自動販売機で商品を販売できる新たなサービスはこうして実現されました。

更に高度なサービスのために
 こうして便利なネットワーククライアントとなった自動販売機には、更に新しいサービスのアイディアが、次々と生まれてきます。

 たとえば、カメラを搭載し顔認証を行うことで、利用者の年齢や性別を把握し、気温や湿度の状況から、そのときに利用者が欲しいと思う商品を提案するという新たなサービスが始まっています。同じように顔認証により成人か未青年かを判別することで、タバコや酒類の販売を制限するサービスも実現されています。 人通りの多いところに配置された自動販売機は、広告媒体としても注目されてきます。液晶ディスプレイを搭載し、デジタルサイネージ端末としての利用も始まっています。
 また災害時には遠隔操作により飲料を無料開放するフリーベント機能による社会貢献事業も進んでおり、自動販売機は物品の無人販売機能だけではなく、様々なサービスのクライアントとして進化しています。 このように高度情報化した端末となった自動販売機では、従来のような温度や商品の数量を管理する専用コントローラだけでは、多くの情報をコントロールすることが出来なくなっています。
 このため、小型のBOX PCやボードPCを使用し、電子カードリーダやカメラ、キャリア回線接続用モデム、さらには外気の温度・湿度や照度計などを接続して様々なサービスを実現しています。
自動販売機=インテリジェント端末
 このように、自動販売機はもはや立派なインテリジェント端末です。
 公共の場所しかも屋外にも設置される自動販売機向けには、産業用PC部品が欠かせません。
 冬の寒冷地や高所のような低温環境から炎天下の屋外の高温環境、そして落雷やノイズなどの電源環境など、自動販売機が設置される環境は多種多様です。このような環境では要求される条件も広くなります。
 またメンテナンス性、省スペース、省電力といった各種の要件も満たす必要があります。 Advantechでは、様々な用途に適合する産業用PC部品や周辺機器を提供しています。
 新しいアイディアが生まれたら、ぜひAdvantechにご相談ください。

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